
泉谷結

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「面接にくるママの特徴は,お給料の多さよりも働きやすさを求めます。同じ状況の女性ばかりなので、痛みがわかるし、先人が”お互い様の社風”を作ってくれたので今のママは何かあったときに帰りやすい、良い空気が流れています。」
そう語るのは自身が会社の社長であり、大学生の子を持つ母でもある菊川朱美さん。女性がライフイベントを大事にしながら働けるための支援の一環として、働きやすい会社を実現する菊川さんに、育児ママの実状や会社で取り組んでいることを聞いてみました!
プロフィール
バックオフィスサービス株式会社
代表取締役 菊川 朱美さん
大阪大学歯学部附属歯科技工士学校卒。
元情報誌編集、小規模事業所の取締役を経て出産。
育児中に、ネットショップ事業にて起業。
2012年に夫の急逝により事業承継したが、見事なまでの衰退産業に身をおく小さな事業所の内情に衝撃を受けつつ、事業再構築から着手。
2014年、無事に事業承継と再構築の基礎固め終了を機に、バックオフィスサービス株式会社に社名変更し、新規事業のラインナップを開始しました。
”結婚・出産・育児・介護”と人生の変化が多い女性が、生涯を通じてしなやかに働き続けることが出来る会社経営と、一人でも多くの雇用を増やすことを目指し、この会社の事業拡大と経営に取り組んでいます。
起業をしたきっかけはなんですか?
主人が急逝して、コピーサービスの会社を継ぐことになったのですが、私としては利益をたくさん出して拡大していくというよりは、お給料が支払えて経営がまわせればいいかなって考えていました。
従業員が既婚女性2名だったので、女性が家庭と仕事を両立して働き続けられる環境を、ここで作っていこうと思いました。
2名とも子育て中の女性だったので、同じ状況の方のほうが働きやすいかなと思って、全員”子育て中の女性”を採用していこうとやりだしたのが現在までの流れです。
女性の働く理由は様々
従業員のひとりに、最初にどちらかの会社で正社員として、子育てをしながら毎日19時~20時まで働いて、子供が寂しさのあまりだんだんコミュニケーションをとってこなくなってしまったという女性がいます。
その方はこのままではダメだと思い、うちの会社にショートタイムで入ってこられました。
とてもお仕事ができる方だったのでこちらから希望して、今では正社員で働いていただいてます。
寂しがっていた当時のお子さんは現在、大学生。下の子も進学校なので、仕送りなどの教育費が結構かかるんですよね。その方は「自分の働いた給料がそのまま教育費に消えています。働いていなかったら、ここまで(充分な教育を)してあげられなかったです。働いていてよかった」と言ってくれています。
みなさん子育てか仕事どっちかになってしまいがちですが、
仕事するからこそ、子供の教育費にも充てられますし、良い事例なのではないかと思います。
あとは、一家の大黒柱として働いている女性や、2人目を出産し育児休業を経て、復帰してくれた女性もいます。家族が調子の悪いときには、早めに帰れる環境だったり、現場にこなくてもできる仕事などを柔軟に対応できるように、いろいろと模索しています。
忙しいときに子供は熱を出すもの
勤務について時間を調整しながら決めていいと伝えても、残念ながら辞めてしまう人も中にはいました。
理由のひとつは、勤務するママさんのほとんどが働きはじめの1~2週間で不思議と子供が熱を出すんですよ。だけど、始まって1~2週間で”休ませて”って言いづらいから、無理してしまうんですよね。そうすると旦那さんやお義母さんに「そこまでして働かなくても」と言われてしまったりするようです。
なので最初に、「お子さんが必ず熱を出すはずだから、その場合は無理しないで言ってね」と、伝えています。それで多少言いやすくなればいいなと思っています。
私自身も母親として思うことですが、許されるだけ子供を優先していただきたいとも思いますし、また、瞬間瞬間で後悔はあるかもしれませんが、長い目でみると大したことではなかったりします。重く考えず、それでよかったと思うこと、スタンダードの基準を下げることでワークライフバランスが取れてくるのではないかと考えています。
業務上で穴埋めはどうしてますか?
出来る人がなんとかカバーしてくれていますね。ひとりが帰らなければいけないときに、残った業務はやはり誰かが負担することになるのは、なかなか解決方法はないと思います。
だからこそ、負担する側の方達が「自分達もそうだったからいいよ」って思える人達がいることはとても大切だと感じています。
女性がライフイベントを大切にしながらも仕事がしやすくなるためには、同じ状況の人達が集まった職場環境がベターだと思いますし、私もそうしたいと思っているんです。
また、以前いた定年退職した方が無理しないで休むっていう環境を作っていってくれたので、現在のママは多少やりやすいのではないかと思います。
働く場所を探すときは、ちゃんとライフワークバランスを打ち出している会社プラス、
業種(現場にいかなくてもできる仕事)などを選ぶことは大切なことですよね。
うまく空気がつくれているんですね
「女性でも稼ぎあったほうが良い」とは思いますが、ボロボロになりながら働いて”育児も仕事も両立!”っていうのではなくて、その中間が必要なんだなと実際に会社で働いている女性従業員をみていて、気づきました。この経験は大きかったです。
子供でつながる人間関係の好循環
育休に入った社員が子供をつれて会社に遊びにきてくれたりするんですが、そうできる環境がとてもいいなと思っています。
また、年の離れた社員同士でも子供が入っていた保育所が一緒だったりすると、話が合うんですよね。子供を通じて出来る絆で、とても良い空気がながれていると思いますね。
ライターの感想後記
急な熱で会社を休んだり、早退しなければいけない状況と、繁忙期であればあるほど会社に申し訳なさがつのっていたたまれなくなる気持ち・・・。そんなときに「みんな経験してることだから大丈夫だよ!」なんて声をかけられることでどれだけ救われることか。
そんな場を社長という立場で、率先して築いていき、その社長の意思を社員の方が引き継いでいっている、良い空気の素敵な職場環境を話から垣間見ることができました。
ライターである私も同じ女性として働き方に理解のある会社があることを知るだけで、出産後に好きな仕事をする勇気をもらうことができました。
菊川さんは起業家女性として、働きやすい環境を自分の手で構築していきました。
今後の働き方を考えて、起業といわずともフリーランスに転身できれば、場所や時間を自由に使って仕事ができますね。
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