インタビュー キャリア 働き方

キャリア形成に必要なのは自分軸で考えること──株式会社グラッドキューブの女性COO財部友希さん

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泉谷結

ふるさとの北海道を出よう!と思い立ち、単身東京へ移住。 ビューティ系のメディア営業に携わり、結婚後は派遣社員としてマーケティングの経験を積んだが、出産後の働き方に行き詰まりを感じる。 何かできないかと悩んでいた最中、自らがこぼした「エンジニアになりたい」という言葉を足掛かりに、プログラミングの勉強を始める。 営業時代に培った得意のテレアポスキルは、取材の時のインタビューにも力を発揮している。 人を安心させる笑顔と確かな実行力で、働く女性の環境をより良くできるよう、絶賛奮闘中。
今回、株式会社グラッドキューブ取締役COOの財部さんにインタビューしました。財部さんは起業を通して、現在までの道を自分で切り開いてきた女性です。
現在は、女性起業家やテクノロジー業界で働く女性の活躍を支援するNPO団体「WITI」の代表として、活動もされています。そんな財部さんの、現在までのキャリア形成の道のりを伺ってきました!

財部さんの経歴を教えてください。

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高校生の頃に、プロサーファーを目指していました。全日本大会へも出場しましたが、精神面が影響して試合で負けてしまいました。そのときに挫折を味わい、プロを断念しました。

サーフィンの練習に没頭していたため、受験シーズンが過ぎてしまっていました。これからどうしようかと考え、ビジネスに役立つように、語学専門学校に入ったり、親の勧めもあり大学を受け直したりしました。ですが、自分が興味のあること以外の勉強が好きになれず、また、目的なく大学に通うことに悩んでいました。

そんな折、姉の友人で、素敵だなと思っていた人に、「大学も良いけど、自分が出来ることの可能性を広げていくほうが良いんじゃないかな」と言われたんです。その言葉に”ピン”ときて、大学にいくのをやめて働くことにしました。

知人の紹介で派遣社員としてIT企業に入社し、情報システム部に配属になりました。そこではAccessを使ったデータ集計や、社内LANの構築などを経験しました。

派遣先の部長が「派遣として働くにはもったいないから、正社員として働かないか」と声を掛けてくださいました。部長の知人がいるケンコーコム(当時は前身のヘルシーネット社)をご紹介していただき、縁あって入社することになりました。

入社半年後に、CS(カスタマーサービス)マネージャーとして業務をすることになり、兼任でCTIのサーバー管理とグループウェアのサーバー管理をしました。

さまざまな経験をもとに、CSという業務の素晴らしさを感じるきっかけになりました。

自分の軸にしたいと思う仕事との出会い

この頃、アメリカではCSブームが巻き起こっていました。顧客サービスの事例が、日本にどんどん入ってきた時代だったんです。CS業務はどんな業種にもあります。なので、CSを極め、自分の軸にして仕事をして行こうと思いました。

次に転職した先は、さまざまな企業からの依頼を請け負うコールセンターに特化した会社でした。人員配置や業務設計など、コールセンターの立ち上げに関わる業務全般に携わっていました。そこで、ひと通りのコンタクトセンター業務を経験をすることができたので、次のステップをと考えていたタイミングで結婚の話があり、寿退職をしました。

結婚してから独立するまで

寿退社をしたものの、準備期間が1年ぽっかり空くことになりました。「これはチャンスだ!この1年でやってみたかったことにチャレンジしよう」と決意し、自分の会社を設立しました。

以前勉強をした、カラーコーディネーターの知識を活かして、イメージコンサルタントを仕事にできないかと思いました。が、その当時は一般的に知られていない業種だったので、最初はうまくいきませんでした。

仕事の獲得方法を考え、企業のサイト上から提案書を送りながらアタックしてみることにしました。アタックした中のひとつで、最大手の婚活サービス業者の担当者から返事があり、提携することになりました。

提案内容は、”パーソナルカラーで第一印象をアップする”というのものです。男性は見た目をブラッシュアップすることが苦手な人も多いので、印象を改善することで、お付き合いする率を上げるお手伝いをしたいと思いました。

事業は順調に進み始めたのですが、ファイナンスの知識に乏しく事業を拡大するには至らないと考え直し、思い切って日本に進出したばかりのIKEA Japanへの再就職を決めました。

自分の好きなITの世界で道を切り開いていく

徐々にソーシャルメディアが日本でも人気になってきた頃、フェイスブックで投稿が表示されるアルゴリズム(※1)に興味を持ちました。どういうロジック(※2)で表示されるときとされない時があるのかなど、海外のサイトで調べたりするうちに詳しくなっていき、仕事に活かしたいと思い始めました。

当時の日本には、今でいうコミュニティマネージャーのような仕事がなかったので、自分で作ろうと思い起業することにしました。

企業のフェイスブックページに顧客から問い合わせが入ってきた時の対応法について、コールセンターとつなげる仕組みを考えたり、コールセンター向けにSNSの対応の仕方を研修したりなどを考えていました。

ただ、最初の4か月くらいは、仕事がなく無収入でした。このままだったらどうしようかと考えていた頃に、たまたまのご縁で、コールセンター系の専門誌から執筆依頼がきました。

何かのきっかけになるかもしれないと思い、コールセンターとソーシャルメディアを題材にした連載を始めました。

そして連載をきっかけにして大手のコンタクトセンター2社から仕事の依頼があり、仕事がうまく回り始めました。グラッドキューブ代表の金島とは、その頃に知り合いました。話すうちに、お互いのビジネスをくっつけたらうまくいくんじゃないかと意気投合し、業務提携しました。

現在は、グラッドキューブの経営をはじめ、すべての事業に携わっています。人事管理や、労務、社内規定を作ったり、PRや広報、SNS運用、外部交渉などを手掛けています。

注釈:
(※1)コンピューターで計算を行うときの「計算方法」のこと
(※2)プログラムにおける処理の内容、手順、方法

タスク管理のコツ

コツはタスクを全部洗い出すことですかね。まずは、頭の中で立体的に想像を膨らませます。シミュレーションを何度も繰り返すと、平面的なタスクでは見えていなかった、細いけれど重要なタスクが見えてきて、気づくことが多いです。そして、漏れているタスクがないかを確認しながら、全部洗い出しています。

もし今後のキャリア形成に迷ったら

人によって、立ち位置や背景は色々あると思います。ただ、総括して言えることは、自分で決めないと何も決まらないということですね。周りを意識し過ぎず、自分がどうしたいかを自分軸で考えてみることが大切だと思います。

まわりに遠慮してしまうと、本当に自分がやりたかったこと、突き進むべき道がぼやけてしまうことがありますよね。

自分が本当に何をしたいかと、それをするためにどうしたらいいか、を自分の中で考えてみる。問いと答えの百本ノックをやってみたら良いんじゃないかと思います。

また、マインドマップのように問いを紙に書いて、自分の考えをアウトプットするのはどうでしょう。とことん考えるとおのずと答えが見つかるのではないでしょうか。

 

編集後記:今後、女性のキャリア形成はどのようにしていけばいいか?

自分のやりたいことにまっすぐに突き進み、自ら道を切り開いていく財部さんがとても素敵です!時代のニーズをいち早くキャッチされ、起業する行動力は働く女性として見習いたい限りです。

今後のキャリア形成についてのメッセージも、「周りを意識せずに自分軸で考えること」で本当に自分のやりたいことが見えてきそうですね。

周りに合わせて残業をしている自分がいたり、育休がとりづらい雰囲気で出産後に退職したり。せっかく会社に貢献しようと入社しても、まだ制度や育休実績が整っていなくて、ライフイベントごとに辞めるなんてもったいないです。

自分のいる職場はどうかを、今から把握したいものですね。もし、結婚や出産後に働くことが難しそうだなと感じたときは、早めに転職を考えてみてもいいかもしれません。

そのときのために何かスキルを学び、起業して自分のワークスタイルを確立するか、在宅ワークなどがしやすいIT企業へ就職するのどうでしょうか。

このサイトを作っている私たちはGEEKGIRLLABOという、自宅で学べるプログラミングスクールを運営しています。GEEKGIRLLABO「女性が働きやすい環境を手に入れる為のスキル」が習得できるように作られている通信講座です。

身に付けたWebスキルを活かして受講後に働いている、ワーキングママさんなどの紹介もされていますので、よろしければ一度ご覧になってみてください。

自宅で学んでプロになる!女性のためのプログラミングスクール

-インタビュー, キャリア, 働き方

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