キャリア 働き方

広がる”パラレルキャリア”女子「副業で会社経営」をする大手会社勤務の正能茉優さん登壇──イベントレポート

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泉谷結

ふるさとの北海道を出よう!と思い立ち、単身東京へ移住。 ビューティ系のメディア営業に携わり、結婚後は派遣社員としてマーケティングの経験を積んだが、出産後の働き方に行き詰まりを感じる。 何かできないかと悩んでいた最中、自らがこぼした「エンジニアになりたい」という言葉を足掛かりに、プログラミングの勉強を始める。 営業時代に培った得意のテレアポスキルは、取材の時のインタビューにも力を発揮している。 人を安心させる笑顔と確かな実行力で、働く女性の環境をより良くできるよう、絶賛奮闘中。

WOMAN Career Labとは?

1「個を活かした新しい働き方」を体現している女性からキャリアについて学べる、リクルートホールディングスが提供する定期講座です。

今回のゲストは、大企業のソニーで働きながら、自分の会社経営もする”パラレルキャリア女子”の正能 茉優さん(25歳)です。話を聞いていくと、今時のおしゃれ女性でありながら、地方の創成を目的とした事業を起こし、好きな事を仕事に変えていく力のある人物像が見えてきました。

今回のイベントでは「やりたいことが有りすぎて一つに絞れない人」・「本業も頑張りつつ、副業もやりたいけど一歩踏み出せない人」など、仕事において”ひとつ”に縛られない生き方を望む女性参加者に向けて、本業と副業の両立の”コツ”などが紹介されました。

登壇者のプロフィール

2ソニー株式会社で正社員 兼
株式会社ハピキラFACTORY 
代表取締役 正能 茉優さん

1991年8月22日生(25歳)

【経 歴】

小学から高校まで読売新聞の子供記者として活動

慶應義塾大学に入学、㈱ハピキラFACTORYを設立

大学卒業後に大手広告代理店に就職

ソニー株式会社へ転職

正社員と副業をやりながら現在迄で5年経過する

今に繋がった、子供記者での経験とは

昔は田舎にあるおばあちゃんちに、よく行っては自然の中で遊んでいました。小さい時から虫が好きだったんです。

ある時、地球の温暖化問題をニュースで見て、自然がなくなってしまうのではと不安に思いました。そして、自分に何かできることはないかと考えていました。そんなときに北海道の知床のジュニア特派員を読売新聞社が募集しており、自然を守る何かの役に立つかもとしれないと思ってやり始めました。

特派員時代は小学3年生から高校生まで、イベントに行って取材をしたり、自分が会いたいと思う大人(小説家や著名人など)に会いに行って、話を聞いきたりを7年間くらいやっていました。

一見、楽しそうに思える記者活動ですが、実は当時の編集長が怖くて、泣きながら記事とか書いてこともありました。でも、特派員になったのを機に読売新聞社で働く大人達とたくさん関わることができたので、人生勉強になりました。

学生時代はどんなことをしていたのか?

大学は慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスに通い、ゼミでは行動経済学を学んでいました。その頃から”埋もれている価値あるもの”を堀り出して需要のある場に提供していくことが好きでした。

あとは、恋愛ゲームのシナリオライターなどをしていました。大手ゲーム会社などで配信されているゲームなのですが、そこでは利用者の課金するタイミングを探りながらシナリオを描いたりしていました。

また、衆議院議員の学生秘書などもやっていました。とにかく、子供記者の時代に知り合った方たちと一緒に何かをやっていることが多かったです。

町長へ直談判にいった経験

大学の取り組みの一環として、小布施町でまちづくりを学ぶ「地域づくりインターン」に参加しました。「地域づくりインターン」とは学生インターンを田舎に派遣して、地方の活性化をする取り組みのことです。

当時は今ほど地方の町おこし活動が多くなく、自治体で”田舎を良くするため”に話し合われていた内容といえば、道路整備のことばかりでした。

道路整備の話ばかりは正直つまらないと思い、町長に直接そのことを伝えに行ったんです。そしたら、町長に「おもしろいと思うことをやってみなよ」と言われました。

起業のきっかけとなった「町おこし」

その時に考えたのは、毎年世界経済フォーラムが開催される「ダボス会議」のことです。「ダボス会議」によって”ダボス”という地が有名になったのを見て、小布施でもそのパターンを取り入れてみたらどうかと思い、提案しました。そしてできたのが「地方×若者」を組み合わせた形の”小布施若者会議”です。

”小布施若者会議”とは1年に1度、全国の若者が小布施に集まり、新しい社会モデルやその実現に向けた事業や政策を話し合う場です。

ただ、そこに集まる若者は男の人がほとんどだったんです。確かに小布施には名所が少なく、お土産も若者向けではなく、カフェもないのでどれだけ小布施は素晴らしいよ、と言ったところで皆には伝わらないと思いました。

なので、どんなの人にも小布施の良さが伝わりやすくなるように、お土産品の見た目をかわいくして、手にとってもらうことから始めたらいいのではないかと思いました。そして、小布施のことを知ってもらうんです。

まずは小布施のお土産の中で「パッケージはイケてないんだけど、中身がイケてるもの」を対象にパッケージをプロデュースすることを考えました。

お土産のパッケージプロデュースで起業

小布施は栗の名産地で、栗菓子を販売している老舗がいくつもありました。ただ、販売している栗菓子がなかなか若い層に売れず、老舗の人々は商品力が足りないんだと感じてしまっていたんです。

でも私はパッケージさえかわいくすれば売れる、という自信がありました。

「小布施堂」という老舗の、栗をまるごと糖蜜に着けた看板お菓子があって、日持ちするお菓子なので商品力もあると思ったのですが、パッケージがちょっと古臭かったんです。

なのでパッケージを変えて、商品名も親しみやすいように”栗かの子”から”かのこっくり”に変え、若者がいるパルコで売ることを考えました。

そして、自らパルコへ交渉にもいき、パッケージを考え準備し、雑誌などにも載せる段取りを組み、10日間かけて2000個売りました。

ただ、2000個売るまでには色々と問題もあって、結構大変だったんですよ。その時の経験は今でも身になっています。

”人生怖いもの無し”になった貴重な体験

パッケージデザインが出来上がって、いざ大量生産しようと業者の方に依頼したときに、ロット(製造数量の最小単位)で発注するということを知らず、100個で発注依頼しました。

そしたら、2000個からじゃないと作れないと言われて、2000個という数がどんなものなのかを想像もつかずに、仕方ないという理由で2000個で発注をしてしまったんです。

当日にパルコの倉庫にズラっと並べられた2000個の”かのこっくり”を目の当たりにして、とんでもない数を発注したんだと実感しました。さすがにまずいなと泣きかけましたが、もう売るしかないので一生懸命に売りました。

当初は若い女子大生がノリで企画してやってるだけだろう、という周りの雰囲気も感じてましたし、在庫の搬入とかも誰も手伝ってくれませんでした(笑)。

でも、最後に2000個を売り切った帰りには役員の方が総出で出迎えをしてくれたので、認めてもらえたような実感がありました。

この時、大風呂敷を広げて後で回収して結果を出せば、誰も文句はいわないんだっていう概念が完全に定着しました。

副業をかなえる3つのポイント

  1. 時間の管理
  2. 周囲の理解
  3. 本人の強い意志(人生配分表を作る)

まずは上の3つをおさえておくことだと思います。”コツ”は本業の仕事をちゃんとして、会社の役に立つ変わりに、周りに文句を言わせないことです。あとは働き方の改革ブームがきているので、時代の流れも見方してくれればなお、いいですね。

本業と副業の時間の使い方(人生配分表)

3

 

今後のビジョン

いつも聞かれるんですけど、これといってないんですよ(笑)。強いて言えば、好きな人と好きな事をして生きて行きたいです。お金には困らないように常に仕事がいただけるような人生が良いですね。

 

ライター感想

正能さんは、自分を客観的に見ていることと、新しいコンセプトを自分で作り、道を切り開いてるところが魅力的だと思いました。

参加者には学生の方も多く、社会人になって”仕事”も”趣味”も大切にしたい人や、進路に悩んいる方がいました。トークセッションが終わったあとも、参加者からの正能さんへ多く質問が寄せられていました。質問は、本業と副業の両立方法や、副業をやっているなかでの悩みなどです。

下記リンクは、パラレルワークを目指す女子がみて参考になるような記事が書きたいと思い、「副業で稼ぐ女性たちに」にインタビューした特集記事です。

今、副業を実現している2名に、1日のスケジュールやどんな風に働いているのかを、記事にまとめましたので、ぜひ一度ご覧ください!

”副業で稼ぐ女性”特集記事

-キャリア, 働き方

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