パワハラ 職場の悩み

あなたの上司、実はパワハラタイプかも?知っておきたい「判断基準」とは

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萩原 由紀

産業カウンセラー、第一種衛生管理者。 前夫との離婚をきっかけに、人材派遣業の世界へ飛び込んだインドア女。営業としてキャリアを積み支店管理者まで勤めたが、再婚を機に、自営業の夫を手伝うか自分のキャリアを追求するか迷い、思い切って退職。Webのスキルを学ぶ。現在は、ある組織に勤めシステム管理と衛生管理を兼任する傍ら、フリーランスとしても自宅で仕事をしている。
pawerhara厚生労働省が平成28年度に行った調査で、3人に1人がパワハラ被害の経験ありという結果が出ていること、ご存知でしょうか?厚生労働省では、その内容を6分類に整理しています。「困っていたあの上司の行動、実はパワハラだった」なんていうことも、あるかも知れません。その判断基準とはどんなものか、そして人に与える影響とはどんなものなのか、じっくり見ていきましょう。

パワハラとはどんなもの?覚えておきたい4つのポイント

厚生労働省が定めている定義とは、下記のとおりです。

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

(引用元:厚生労働省「職場のパワーハラスメントについて」

この定義の中には、大切なポイントが4つ含まれています。

  1. 対象者は同じ職場で働く人
  2. 行為者は職場内の優位性を利用
  3. その行動の程度が業務の適正な範囲を超えている
  4. 被害者に精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為である

この4点を備えていれば、いまあなたが悩んでいる上司からの言動は、パワハラと言っても良さそうです。

着眼点となるのは、行為者の行動が「業務の適正な範囲を超えている」という点です。仕事を進めるうえで当然発生する指導・指摘は、多少耳が痛くても、自分の成長のためにしっかりと受け止めましょう。

6つに分類!パワハラの典型例とは

上で述べた定義をもとに、さらに6つに分類されています。一般的に、パワハラとは殴ったり怒鳴ったりというようなイメージがありますが、どうやらそれだけではないようです。

  1. 身体的な攻撃・・・殴る蹴る、物を投げつけるといった暴行など
  2. 精神的な攻撃・・・「お前が会社に来ても意味がない」、「逆らったらクビになると思え」といった侮辱・暴言・脅しなど
  3. 人間関係からの切り離し・・・会議に一人だけ呼ばない、挨拶されても返事をしないといった隔離・仲間外し・無視
  4. 過大な要求・・・適正と思われる量の倍のノルマを課すなど、業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
  5. 過小な要求・・・営業職なのに草むしりばかりやらせるなど、業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えない
  6. 個の侵害・・・机の引き出しやスマホを勝手に見たり、休んだ理由などをしつこく聞き出すなど、私的なことに過度に立ち入る行為

(出典:厚生労働省「職場のパワーハラスメントについて」

休んだ理由をしつこく聞くこともダメだというのは、ちょっと意外ですが、それによって休みにくくなることを考えると、なるほど頷けます。

厚生労働省によると、これらはあくまで「典型例」とのこと。この分類に属さなくても、ハラスメントとして認定されることがありますので、覚えておいてください。

パワハラが与える影響とは

では、被害者はどのような影響を受けるのでしょうか。
厚生労働省が取りまとめた、「平成28年度報告書」に、調査結果が出ていました。

(表1)

心身への影響 対策に積極的な企業 対策をほとんど行っていない企業
怒りや不満・不安を感じた 71.8% 79.1%
仕事の意欲が減退した 64.8% 70.4%
職場での会話が減った 32.0% 36.5%
眠れなくなった 19.2% 23.5%
休むことが増えた 7.5% 8.4%
通院したり服薬をした 9.2% 10.8%
入院した 0.8% 1.0%
特に影響はなし 6.0% 3.0%

(出典:厚生労働省「職場のパワーハラスメントに関する実態調査について」

「特に影響はない」というツワモノが3~6%程度いますが、9割以上の人が、何らかの悪影響を受けています。

怒り・意欲減退・コミュニケ―ションの減少など、仕事の成果に影響をおよぼす内容がトップ3を占めています。第4位からは、健康状態に関する項目が並んでいます。

このようにパワハラとは、せっかく採用した人材が心身ともに委縮してしまい、能力を発揮できない状態に陥らせるものなのです。
会社の生産性にも悪影響を及ぼす、軽視できない問題です。

有効なパワハラへの対策とは

表1を見ると、対策をしている企業の従業員の方が、数%ではありますが、悪影響を受ける割合が少ないようです。
会社の理解と協力を得られることは、とても心強いことです。自分が被害者になってしまったときには、人事部や、社内のハラスメント相談窓口などへ相談しましょう。

もし、会社が頼りにならないのであれば、労働局へ相談しにいくことがおすすめです。

自分より優位なポジションにある人とのトラブルですので、周囲の人や関係機関の力を借りた方が、解決に近づきやすくなります。

心身が病んでしまう前に行動を!

パワハラとは、体調を崩したり気力がなくなったりと、心身のエネルギーを消耗させるハラスメントです。
どうしても解決できないようでしたら、長期療養という羽目になる前に、思い切って職を変えることも選択肢の一つです。

上司の言動によって自信を失っていることも考えられますので、転職サービスなどを利用して、専門スタッフと話し合いながら今後の方向性を決めてみても良いかも知れません。

また、退職を機に少し長めに充電期間を設け、新たなスキルを身に付け、再出発してみても良いでしょう。

筆者からのおすすめは、Web制作などのITスキルの習得です。
Web制作スキルとは、いわゆるホームページを作る技術です。転職にも役立ちますし、場合によってはリモートワークという雇用形態で働くこともできます。子育てしながら自宅で仕事ができますので、女性が長く続けるのに適した業種だと思います。
また、筆者の場合はプログラミングを習得した後、自宅で仕事をしていますので、そういった選択肢もあります。

プログラミングの勉強は全体的に、主に男性受講者をターゲットとして考えられていることが多いようです。女性が学ぶには、筆者も卒業したGeekGirlLaboという女性のためのプログラミングスクールがおすすめです。このスクールでは、ITスキルを身に付けたばかりの女性に実力をつけるためのIT業界転職サービスも行っているため、一石二鳥ではないでしょうか。

しかも、転職サービスを利用して就職を決めた受講生には、祝い金が出るため、受講料が実質無料になります

リモートワークを目指すには、ある程度の経験が必要になるため、転職サービスを利用してまず就職し、数年後にリモートワーク導入企業へ転職するという流れが効率的でしょう。

GeekGirlLaboであれば、スキル習得にかけたお金を回収しながら、リモートワークへの第一歩に挑戦できるわけですから、これを逃さない手はありません。興味のある方は一度ホームページをご覧になってみてください。

世の中に、仕事や職場はたくさんあります。上司の言動によって体を壊したり、精神を病んだりする前に、次のステップへ向けて一歩踏み出してみませんか。

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