パワハラ 職場の悩み

事例から判明したマタハラの特徴とは?対策はパワハラと同じでOK?

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萩原 由紀

産業カウンセラー、第一種衛生管理者。 前夫との離婚をきっかけに、人材派遣業の世界へ飛び込んだインドア女。営業としてキャリアを積み支店管理者まで勤めたが、再婚を機に、自営業の夫を手伝うか自分のキャリアを追求するか迷い、思い切って退職。Webのスキルを学ぶ。現在は、ある組織に勤めシステム管理と衛生管理を兼任する傍ら、フリーランスとしても自宅で仕事をしている。
matahara厚生労働省が平成27年、「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する調査」を行いました。その結果、マタハラの経験者は正社員で約2割、派遣社員ではほぼ2人に1人が経験していることが分かったのです。子供を望む以上、避けて通れない妊娠・出産。そのとき仕事を続けたい女性は、一体どのように身を処すれば良いのでしょうか?厚生労働省の調査結果と、実際の事例をもとに考えてみたいと思います。

厚労省のマタハラ調査結果

厚生労働省「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する調査の概要」の統計結果は、下記のようになっています。

経験者の就業形態

matahara1

マタハラされていた時の健康状態

matahara2

育休規定の有無別マタハラ経験者割合

matahara3

防止策の取り組み状況別就業継続割合

※ここでの就業継続割合は、妊婦のうち5割~8割の人が就業を継続する企業が、全体の何パーセントかを表示しています。

  • 防止策の取り組みなし・・・54.5%
  • 防止策の取り組みあり・・・65.2%

厚労省の調査をまとめると

これらの調査結果から分かることは、下記2点です。

  • 妊娠時の体調が仕事に影響するかどうかは関係なく、不利益取り扱いは行われる
  • 発生件数は企業の取り組みによって減らすことができる

つまり、妊婦さん側が「職場に迷惑をかけない」努力をしても、何とかなるものではないのですね。

マタハラもパワハラと同様に、企業に取り組んでもらわなくてはならない問題なのです。

マタハラ事例を見ていくことで分かる特徴

ではここで、働く女性たちが実際に経験した事例を見ていきましょう。

<事例集>

  • 産休育休制度があるのに、上司に妊娠を報告したら、「もう徹夜できないでしょ、いつ辞めるの?」と聞かれた(31歳、正社員、SE)
  • 派遣先に妊娠を報告したら、つわりも軽いし次回の契約更新日まで仕事できるのに、「契約期間が切れてからにして欲しかった、社会人として責任感がなさすぎる」と言われ、別の人への交代を要求された。(27歳、派遣社員、営業事務)
  • 妊娠していることを女性上司に報告したら「迷惑」と言われ、その後の仕事も全く配慮されることがなく、切迫流産の危険性が高まって入院することになった(25歳、正社員、介護職)
  • 社長に妊娠を報告したら、「男と同じように仕事ができないやつはいらない」と言われ、自主退職を迫られた。(36歳、正社員、営業)

こうして事例を並べると、マタハラの特徴が見えて来ます。
それは、パワハラなどの個人的な嫌がらせと異なり、人員配置や職務の配分など、会社の人事と連動しているということです。

事例でも全て、本人の進退や身分にかかわる話ばかりが出ていますね。

ますます、会社の取り組みなしにマタハラをなくすことはできないことが、これらの事例から良く分かります。

マタハラのない会社になってもらうには

平成28年3月の「男女雇用機会均等法」の改正で、マタハラの防止措置が雇用主に義務付けられています。

そのため、事例にあるような嫌がらせをされた場合には、労働局に相談することが有効でしょう。

また、妊娠を理由として解雇や降格をされ納得が行かず、会社と争う場合には、法テラスの弁護士相談などを活用するのがお勧めです。

妊娠をひとつの契機と考える

事例を読んでいて気付いた方もいるかも知れませんが、マタハラ対策の難しい部分は、自分でできることがあまり多くないという点です。

妊娠に伴う体調不良やつわり、切迫流産の危険性は個人差が大変大きく、しかも数か月継続します。薬などで抑えることもできませんから、会社や周囲に「理解・協力してもらう」しかありません。(そして、国の方針として、会社は「理解すべき」なのですが。)
事例でご紹介したようなマタハラは、バリバリ仕事をしてきた女性ほど、悔しさを覚えるのではないでしょうか。

そこで発想を変えて、妊娠を新たなスキル習得の機会と捉えると、新たな道が見えてきます。

女性は子育てが始まると、フルタイムでの勤務が難しくなります。
しかし、現在、国が助成金の対象として推進しようとしているリモートワーク(在宅勤務)などができれば、それだけで仕事を継続できる可能性がアップします。

いま、そういった勤務形態を積極的に取り入れているのは、IT企業です。
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ママとしての幸せとキャリアの両立を、諦める必要はないかも知れません。

-パワハラ, 職場の悩み

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