パワハラ 職場の悩み

パワハラによる「うつ」で休職する前に!~セルフチェックと対処法~

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萩原 由紀

産業カウンセラー、第一種衛生管理者。 前夫との離婚をきっかけに、人材派遣業の世界へ飛び込んだインドア女。営業としてキャリアを積み支店管理者まで勤めたが、再婚を機に、自営業の夫を手伝うか自分のキャリアを追求するか迷い、思い切って退職。Webのスキルを学ぶ。現在は、ある組織に勤めシステム管理と衛生管理を兼任する傍ら、フリーランスとしても自宅で仕事をしている。
pawahara-utu厚生労働省が発表した平成27年度「過労死等の労災補償状況」によると、労災として認定された精神障害は全472件。うち、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」、「上司とのトラブルがあった」の2項目による労災は合計81件で、そのうち11件が自殺をしています。労災支給決定理由として最多のパワハラは、働く女性にとって身近な職場トラブルの1つ。「うつ」を発症して長期化してしまう前に、早期発見・早期対策をしていきましょう。
※「うつ」は精神障害に含まれる病気の1つです。

パワハラによる「うつ」、その初期症状は

「うつ」の初期症状のうち、本人が自覚しやすいものは下記の2点とされています。

  1. 寝付けない、または夜中に目覚めてしまう
  2. 食欲がない、または食べなくても平気になってきた

眠れないことで脳の疲労が蓄積し、食べられないことで体のエネルギーが補給できなくなります。

脳と体のエネルギーがなくなってしまうことが、症状の進行に拍車をかけてしまいますから、上記2つの症状に気付いたら早めに対処するようにしてください。

初期症状に気付いたら、まず専門家に相談

では、初期症状に気付いたら、どうしたら良いでしょうか。
それには、心療内科や精神科にかかり、専門の医師による治療を受けることが第一です。

まず取り組みたいのが、低下した心身のエネルギーを取り戻すこと。
薬の力を借りて、眠れるように、そして食べられるようになることが必要となります。

通院と聞くと抵抗感を覚える人もいるかと思いますが、完治するまでの間と思い、毛嫌いせずに医師の指示通りに処方薬を活用してみてください。

「うつ」なのかはっきりせず通院しづらいときは

しかし、中には「そこまで症状がはっきりしていないので、通院しにくい」、という人もいるかも知れません。

そういう時には、下記のような無料のカウンセリングサービスに、その迷いを話してみてください。

カウンセリングは、心を病んだ人だけのものではありません。心が健康な人でも、自分を整理し見つめなおし、自分をアップデートするための手段として活用できるサービスです。

どれも専門の相談員が対応してくれますので、晴れない心で長い時間を過ごすより、電話をしてみてください。

※無料の電話相談は混み合っていることが多いため、つながりにくい傾向があります。あきらめず何度でもかけてみてください。

パワハラそのものにも対処する必要がある

ここまで、病院やカウンセリングサービスへの相談という対処法をお伝えしてきました。
余力があればさらに、「うつ」の原因となっているパワハラ上司にも対処しておきたいところです。

パワハラへの対処法として取れる選択肢には、下記のようなものがあります。

  1. 企業内のハラスメント相談窓口、または人事部などへ相談する
  2. 会社に相談しても対応してくれない場合には、労働局へ相談する(匿名でも可能です)
  3. 会社や加害者に対して法的措置を検討するのであれば、法テラスなどを利用して弁護士に相談する

「うつ」の治療を開始しても、原因となるパワハラ上司と常に一緒では、なかなか回復につながりません。会社の協力を得て解決の糸口つかめるよう、まずは職場に相談してみてください

費用をかけて雇い育てた人材を損ねるという意味で、パワハラは企業にとってもマイナス行為です。そこを理解している会社であれば、パワハラ上司に対する指導や、配置転換・人事異動などの手を打ってくれるでしょう。

また、単に職場内に理解者が増えるだけでも、心の負担が少し軽くなることもあります。

パワハラ解決に会社の協力が得られないなら

しかし、中にはパワハラの解決に非協力的な企業があることも事実です。
その場合には、心身の健康を損なう前に、転職することが最後の対処法となってくるでしょう。

もともと、女性は結婚・出産・育児などのライフイベントによって、転職を余儀なくされることが少なくありません。

パワハラ被害がもとで転職をするなら、これを機に、ライフイベントの変化があっても仕事を継続できる職場を目指してみてはいかがでしょうか

筆者がいま、女性におすすめしている転職先は、リモートワークを取り入れている企業の多いIT業界です。
もっとも、転職するにはスキルが必要となりますので、何らかの勉強は必要になるでしょう。

このサイトは、女性のためのプログラミングスクールGeekGirlLaboが運営しています。
女性が理想の生き方をつかみ取る応援をするために作られたスクールで、通信制なので自宅で学ぶことができます。

このスクールではIT業界で実力を積みたい女性のための転職サービスも行っており、初心者でも身に付けやすいWeb制作スキル習得と転職を組み合わせた「Web就職コース」を提供しています。

受講料は98,000円なのですが、転職サービスで就業を決めれば祝い金10万円が出ますから、実質無料で新しい環境へ飛び込めます。コスト感覚の鋭い女性には、まさにうってつけですね。

リモートワークを目指す場合、ある程度の経験と実力が必要になりますから、こういったサービスを活用してまずIT企業に就職し、経験を積んだ後で、リモートワーク導入企業を探してもらうのが効率的です。

世間には、さまざまな企業があり、それぞれに社風が異なります。今の職場に失望しながら仕事を続けるより、より良い環境の職場を目指して行動してみてはいかがでしょうか。

-パワハラ, 職場の悩み

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