
萩原 由紀

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セクハラの定義が明記されている「均等法」
セクハラの定義は、平成9年に行われた男女雇用機会均等法の改正で、条文の中に明記されました。
その内容をかみ砕くと、下記のようになっています。
注:内容を参照した均等法第11条の実際の条文は、事業主が対策すべき内容として、事業主側を主体として書かれています。ここでは、労働者側が理解しやすいよう、読み替えています。
この条文からセクハラの定義を読み取るために、把握したいポイントは、下記の4点です。
- 「職場」の定義を知る
- 「性的な言動」の定義を知る
- 「労働者」の定義を知る
- 「就業環境が害される」とはどういうことなのか、その定義を知る
法律の条文に定められた内容をより具体的に理解するには、その法律に基づいて出された政府の「指針」を確認する必要があります。
ここからは、平成18年に厚生労働省から出された、「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」(以下、「指針」とします)に沿って、上記4つのポイントを詳細に見ていきましょう。
セクハラの定義その1:「職場」とは、どこを指すのか?
「職場」と聞くと、勤務しているオフィスの中だけを指すと思いがちですが、指針の中では、「労働者が通常就業している場所以外であっても、労働者が業務を遂行する場所は職場に含まれる」と定義されています。
つまり、下記のような場面も「職場」の定義の中に含まれます。
- 取引先との食事や飲み会
- 取引先への移動中の車の中
- 顧客の自宅
- 出張先
また、勤務時間外での「宴会」なども、参加が強制されていたり、業務との関連性が強い場合には、「職場」とされる場合があります。
セクハラの定義その2:「性的言動」って、どんなこと?
「性的言動」の定義について、指針の中では、「性的な内容の発言または性的な行動」とされています。
さらに具体的には、下記の例示がされています。
- 性的な事実関係を尋ねること(彼氏はいるの?など)
- 性的な内容のうわさを流すこと
- 必要なく体に触ること
- わいせつな画像を配布すること
上記はあくまで「例示」です。これら以外にも、相手が聞きたがっていないのに自分の性的な体験を話したり、性的な内容でからかったり、デートにしつこく誘ったりすることもセクハラとなります。
また当然ですが、性的関係を強要することも、セクハラの定義に含まれます。
セクハラの定義その3:「労働者」って、誰のこと?
では、労働者とは誰を指すのでしょうか?
「指針」の中では、「事業主が雇用する労働者のすべてをいう」とされています。
つまり、正社員でも、パートタイマーや契約社員などの非正規社員でも、労働者に該当します。
雇用主が派遣元となる派遣社員についても、派遣先の事業主が雇用しているのと同様に扱うよう、「指針」の中で明記されています。
セクハラの定義その4:「就業環境が害される」って、どういう状況?
条文をよく読むと、「就業環境が害されること」が大きく2種類に分類されていることが分かります。
- 性的言動を拒絶したりすることで、労働者が解雇・降格・減給などの不利益な取り扱いを受けること(対価型セクハラ)
- 労働者の意に反した性的言動が行われ、その労働者が就業するうえで看過できない程度の支障が発生すること(環境型セクハラ)
1つ目の対価型セクハラは、比較的その状況が分かりやすいですね。
2つ目の環境型セクハラに関しては、さまざまなケースが想定され、その定義が難しいので、「指針」から具体例を引用して挙げておきます。
- 上司がむやみに胸や腰に触ってくるので、就業意欲が低下した
- 同僚が取引先で、性的な噂を意図的かつ継続的に流し続けたので、苦痛を感じて仕事が手につかない
- 嫌だと伝えているのに、職場にヌードポスターが貼ってあり、苦痛を感じて業務に手がつかない
セクハラの定義まとめ
ここまで、セクハラの定義について、法律と「指針」をもとに確認してきました。
まとめると、セクハラとは「雇われて働いている人が、業務に関連する場所で、性的な言動によって仕事に支障が出るほど苦痛を感じること」と言えそうです。
出勤したくないなと感じたり、場合によっては恐怖感を感じたりしながらは、いい仕事ができません。
今まで見てきた定義に当てはまると感じたら、一人で悩まず、企業に設置された相談窓口か、労働局へ相談するようにしてください。
女性が働きやすい環境を手に入れるには
法律によってその定義が明文化され、規制されることで、セクハラが人権侵害であるということが世間に広く周知されるようになりました。しかし、労働局に寄せられるハラスメントの相談は、セクハラが6割近くを占めています。更に、そのうちの約9割が、女性からの相談です。
まだまだ女性が働きやすいとは言えない社会の中で、どうやって快適な雇用環境を手に入れたら良いのでしょうか?
筆者は自身の経験から、ITスキルを身に付けての「独立開業」が最適だと思っています。
独立開業してしまえば、嫌がらせをしてくる上司はいなくなります。就業時間も自分でコントロールできるようになりますから、仕事の合間に買い物に行くことも、子供のお迎えに行くこともできます。
もちろん、企業に勤めながら働きやすい環境を手に入れたい人もいるでしょう。そういった人には、リモートワーク(在宅)で勤められる会社への転職が、おすすめです。こちらもIT企業に多い就業形態ですので、独立でも転職でも、ITスキルは身に付けておいた方が良いでしょう。
ITスキルを身に付けるには、スクールなどで学ぶのが近道です。筆者が卒業したGeekGirlLaboは、女性のためのプログラミング通信講座です。女性に理解しやすいカリキュラムで作られており、独立開業を応援してくれるコミュニティなどもあるスクールですので、ご紹介しておきます。
また、リモートワークでの仕事を探したい場合には、転職サービスなどを活用して情報を収集すると効率的ですが、IT企業である程度経験を積んでおいた方が有利です。まず3年程度どこかに勤め、そのあとでリモートワーク導入企業へ転職をするという計画を立てるようにしましょう。
近頃は、女性専用の転職サービスが提供され始めています。GeekGirlLaboでも最近、女性のための転職支援サービスを始めたので、興味があれば覗いてみてください。リモートワーク導入企業を目指したいという相談にも、乗ってくれるはずです。
しかも今なら、Web制作コースの受講料が実質無料になる、就職お祝い金キャンペーンを行っているそうです。
受講生が、スクールの転職支援サービスで就職を決めると10万円のお祝い金が出るのだそうで、本気でスキル習得から転職を目指すなら、これを利用しない手はないですね。
政府が女性の活用を目指している現在、少しずつでも女性を取り巻く雇用環境は改善していくのではないかと思っています。女性側も、環境が整うのを待つばかりではなく、スキルを身に付けて、自分の理想とする生き方を手に入れていってください。