萩原 由紀
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残業する女性は家庭でも働いている
総務省の「平成23年社会生活基本調査」によると、女性が家事に使う平均時間は3時間35分だそうです。
男性の家事時間は平均42分ですから、もちろん個別にはもっと家事をする男性もいるとは思いますが、全体的にまだまだ家事の負担は女性に偏っていると言えます。
もし8時間勤務の女性が4時間残業し、1時間の昼休憩を取っていると仮定すると、残業時間を含めた職場での拘束時間は13時間になります。もし睡眠を7時間取ろうとすると、所定内労働時間・残業時間・家事時間・睡眠時間の合計で24時間。
自分の時間は全く取れないということになります。
更に、ここには、女性本人が家庭で食事をする・入浴する・トイレに行くなどの生活時間が入っていませんから、実質7時間睡眠の確保も難しい状況でしょう。
毎日これが続くことで、疲労の蓄積につながります。
男性の家事への参加促進についてはまた別の機会に譲ることとし、ここではこの現状を踏まえ、残業が家庭にもたらす影響について検討していきたいと思います。
女性の残業が家庭にもたらす影響
ここでは、職場の定時が17時、平均残業時間4時間のAさんを想定して考えてみます。Aさんの職場から自宅までは片道10分、家族構成は会社員の夫(平均帰宅時間23時)と小学生6年生の息子1人の3人家族とします。
子供は誰もいない家庭に帰宅
両親はまだ仕事から帰宅していませんから、子供は学校や学童から、誰もいない家庭に帰ってくることになります。帰宅後、塾に行くのであれば、一人で支度をして向かうことになります。
子供の一人ご飯が増える、宿題も見られない
4時間残業すれば、退社時刻は21時です。子供は誰もいない家庭で、Aさんが買っておいた総菜や、作り置きしたおかずなどを一人で食べることになります。家庭で親が宿題を見てあげる時間も、なかなか確保しづらいでしょう。
手料理をする機会が減る
21時に帰宅したAさんは、買い物や掃除・洗濯、子供の学校から依頼された物品の準備など、料理以外にやるべき家事が山盛り。毎日元気に仕事をするには、自分の体を休める時間も必要ですから、それらの時間を捻出するためになるべく家事を簡略化するしかありません。料理に関しては、どうしても料理は店屋物やレトルト・冷凍食品の活用が増えますよね。それらの活用は全く悪いことではありませんが、栄養面や健康面を考え、利用をためらう女性が多いようです。
掃除は簡略化される
長時間残業によって時間も体力も余裕がありませんから、掃除は必要最低限になります。一口に掃除と言っても、完璧に取り組めば掃除機がけだけでは終わりません。キッチンの拭き掃除、鏡を磨く、洗面所の掃除、お風呂掃除、トイレ掃除、各部屋の机や窓の桟の拭き掃除、玄関の掃き掃除、ベランダの掃除・・・。長時間残業に疲れた体では、そこまでこなすことはできませんよね。ちょっと汚れに気が付いても、気にしないことにするしかありません。
家族とのコミュニケーションが減る
残業によって、仕事に1日の時間の3分の2近くを取られていますから、自宅にいる時間のほとんどを家事に費やすことになります。子供の話を聞いたり、夫とコミュニケーションを取る時間は減ってしまいます。
疲れて家族に優しくできなくなる
残業によって時間に追われ、さらに睡眠が満足に取れない疲れから、ついついイライラしてしまうことも。いつもは子供には優しくできるけど、時に怒鳴ってしまったり。家庭で優しくあるためには、時間的にも体力的にも余裕が必要です。長時間残業をしていると、その余裕はなくなってしまいます。
残業で家庭に影響を与える自分を責め、笑顔が減る
そしてAさん本人も、ここまで挙げてきた要素に自分で気が付いています。自分としては仕事にやりがいを見出しているけれど、母として妻として、そこまでして仕事をするべきなのか。なぜ仕事と家庭をしっかり両立できないのか。だめな母、だめな妻なのではと思い悩み、気づけばいつも悩み顔。お母さん・または妻の笑顔が減ると家庭はちょっと暗くなるかも知れませんね。そのことに気付いたAさんはさらに悩み、負のスパイラルになっていきます。
残業の家庭への影響を最小限にする工夫
これら女性の残業による家庭への影響をできるだけ減らすには、下記のような対策が考えられます。
- 子供には携帯やスマートフォンを持たせ、必要な時に連絡が取れるようにする
- 家庭内コミュニケーションは、家庭内伝言板やLINEなどをフル活用する
- 家庭では何を最重要項目にするのか決め、それ以外はいわゆる手抜き家事でも良しとする
- できるだけ体は休めて、心身の余裕を確保するようにする
疲れは、幸せを感じる能力を奪い取ります。
ただでさえ長時間残業で体が疲れているでしょうから、理想の家事ができない自分を責め、心まで疲れさせることはしないでください。
ここにあげた対策は、どれも根本的な解決にはなりませんが、現実をしっかり踏まえ、気持ちに折り合いをつけていくことが大切です。
残業による家庭への影響を
根本解決したいなら
筆者は、女性が自分のキャリアを継続しつつ、長時間残業が家庭に及ぼす影響を根本的に解決したいのであれば、自宅で仕事をするという選択肢がベストではないかと考えています。
現在、国が導入を推進しているリモートワーク(在宅ワーク)は、会社に雇用されながら自宅で仕事ができる勤務形態です。
このリモートワークは現在、IT業界が積極的に導入しています。IT業界も決して残業が少ない業界ではありませんが、家庭にいながら仕事ができれば、空いた時間にちょっと家事を片付けることができます。
つまり、ITスキルを身に付けて転職すれば将来的に、家庭にいながらプロとしてキャリアの構築が可能であるということです。
また、自宅で独立開業することも選択肢に入れることができ、単に会社勤めするだけではない、非常に柔軟なキャリアプランを作ることも可能に。
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実際にリモートワークでの就業を目指すのであれば、まずはIT企業に通常勤務で就職し経験を積む必要があるのですが、実質無料で、リモートワークへの最初のステップを踏み出せることになります。
もしあなたが、長時間残業で母として・妻として行き詰りを感じているのであれば。
あなた自身の幸せと笑顔を取り戻すために、こういったスクールやサービスを利用して、新しい雇用環境にキャリアチェンジしてみてはいかがでしょうか。